君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「櫻田、悪いが次はこれ頼む」


「はい、分かりました」


藤原係長からファイルを受け取り、自分の席へと戻る。


今日、東野さんは一日外回り。勿論大貫さんも一緒。

昨日までの私だったら、気になって気になって仕方なかったけど、今日は大丈夫。昨日の東野さんの言葉があるから。

...ただ、やっぱり気になるのはあの写真。

橘さんはあんな風に言っていたけど、腑に落ちないよ。


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「櫻田、これからみんなで飲みに行くんだけど一緒にどうだ?」


仕事も終わり、片付けをしていた時、藤原係長に声を掛けられた。

飲みに、かぁ...。


「すみません、今日はちょっと用事があって」


「そっか...」


用事なんてないけど、今日はちょっと家でゆっくりしたい気分だった。


「皆さんと楽しんできて下さい。また誘って下さいね!お疲れ様でした」


「あぁ、お疲れ!っと!櫻田!」


帰ろうとしたが、藤原係長に腕を引かれ止められた。


「どうかしましたか?」


「...いや、何でもない。また今度ゆっくり飲みに行こうな」


「...はい」


ゆっくりと引かれた手は離された。


藤原係長、ちょっと変じゃない?

つい藤原係長を見つめてしまう。


「悪かったな、足止めしちゃって。お疲れさん」


いつもの藤原係長らしく、私の肩を叩き行ってしまった。


何かあったのかな...?


そんなことを思いながらも、自然と視線は東野さんの机に向かう。


まだ外回りから戻ってきてなかった。

朝、今日はだいぶ時間掛かるだろうから、仕事が終わったら気にせず、先にあがっていいって言われたけど...。

気になっちゃうわよ。
だって大貫さんと今も朝からずっと一緒なんですもの。


っと!もう気にしないことにしたじゃない!
私のダメな癖だわ。


早く帰ろう。

そう思い、みんなに挨拶しながら営業部を後にした。


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「ふぅ~。さっぱりした」


家に帰ると、珍しく桜子も翔ちゃんもいて、久し振りに三人で楽しく食事をした。

今はお風呂に入って一人、部屋で久し振りにゆっくりと過ごしていた。






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