君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
給湯室から部署内をチラッと見ると、まだまだみんなせっせと働いていた。


「…よし!初仕事といきますか!」


棚を開けると、コーヒーやら紅茶やらお茶やら沢山並べられていた。


みんなの好みも分からないし、取り敢えず今日はみんなお茶かな?


お茶の葉の缶を開けるものの、どうやら安い特売の茶葉とみた。


「まぁ…こんなものよね」

秘書課で散々たたき込まれた知識を使い、お茶をいれお盆に乗せて給湯室を出る。


「お疲れ様さまです。どうぞ」


まずは上司から。たしか営業部の係長は東野さんと同期の藤原剛。


極上営業スマイルで声掛けたものの、藤原さんはチラッと私を見ただけでまたパソコンとにらめっこ。


えっ…聞こえてなかった?

「あの…お茶、よろしかったらどうぞ」


そう思い再度、声掛けるもまた返事は返ってこず。いやいや、それどころかこちらを見ようともしない。


「あっ…あの―…」


「いらねぇ」


「…えっ?」


いっ、いらない?


「つーか気が散るから邪魔。あっち行って」



えぇー!?なっ、何、この人!東野さんのクローンですか!?


「そっ、それは失礼しました」
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