君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
努めて笑顔で言うものの、内心は怒り爆発寸前。


「……ありえない」


あの後、順々にお茶を配って言ったが返ってくる言葉は同じ。


『いらない』『飲まない』『嫌い』


唯一受け取ってくれたのは今年入社したばかりの新入社員の小山優斗だけだった。

給湯室へ駆け込み、どうにかイライラを静める努力をするものの、なかなか収まってくれない。


「ありえない、ありえない、ありえない!」


営業部って何!?

なんて態度の悪さ!

あんなんで営業回れるの?

「あっ、あの―…」


「…わっ!はい!」


突然背後から聞こえてきた声に、私の身体はオーバーに反応してしまった。


「あっ!驚かせてしまってすみません!あの、お茶ご馳走様でした。旨かったです」


そう言うと小山君はご丁寧に飲み終わった湯のみを下げてきてくれた。


「わざわざすみません。…ありがとうございます」


「いいえ!…あの、気にしないで下さい。みんなあれが普通で…なんていうか日常っていうか…」


「えっ…それってどういう意味ですか?」


意味深な小山君の言葉に、後退りする小山君の腕を思わず掴んでしまった。


「いや、あの…」
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