君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
昔からずっと一緒で、私の良いところも、悪いところも全部知ってて。
それは私も同じで、翔ちゃんの良いところも、悪いところも全部知ってる。よくケンカしたし、笑い合った。
そんな翔ちゃんを好きになれて、ずっと二人で一緒にいられたら、私は本当に幸せになれると思う。だけどー...やっぱりダメみたい。
「ごめん、翔ちゃん...」
こうやって翔ちゃんに抱き締められている中でも、頭に浮かぶのは東野さんなの。
どうしても浮かんでしまう。そして思い出してしまう。東野さんのぬくもりを...。
「本当はね、最近東野さんの気持ちを、疑ってばかりだったの。大貫さんのことを好きなんじゃないかって。気持ちを押さえ込んで無理してるんじゃないかって...」
その度に自分に言い聞かせて、大丈夫だって言い聞かせて...。
『だけど』って考え直すことばかりやってた。
翔ちゃんや相田さんに言われても、東野さんや大貫さんに言われても、答なんて出なくて...。
「でもね、私やっぱりどんな東野さんも好きみたい。今分かっちゃった。...誰を好きとか、そんなの関係ないと思うの」
抱き締める力は弱まり、そっと翔ちゃんから離れた。
「...この先もずっと、か?」
「うん、ずっと変わらないと思う」
「そっか...」
そう言って力なく笑う翔ちゃんに、私の胸は締め付けられるように苦しくなる。
だけど私、もうこれ以上翔ちゃんに甘えられない。
「悪いけど俺も菜々子に対する気持ちは変わらないと思う。...でも、勝手に想ってるだけだから。これまで通りでいいから。...つーかさっきの、聞かなかったことにして欲しいくらい。普通通りにしてくれ」
「翔ちゃん...!」
それ以上翔ちゃんは何も言うことなく、部屋へと戻って行った。
荒々しくドアが閉まる音が家中に響き渡る。
「...私ってば最低だ」
バカで最低なんて、救いようがない女じゃない。
それは私も同じで、翔ちゃんの良いところも、悪いところも全部知ってる。よくケンカしたし、笑い合った。
そんな翔ちゃんを好きになれて、ずっと二人で一緒にいられたら、私は本当に幸せになれると思う。だけどー...やっぱりダメみたい。
「ごめん、翔ちゃん...」
こうやって翔ちゃんに抱き締められている中でも、頭に浮かぶのは東野さんなの。
どうしても浮かんでしまう。そして思い出してしまう。東野さんのぬくもりを...。
「本当はね、最近東野さんの気持ちを、疑ってばかりだったの。大貫さんのことを好きなんじゃないかって。気持ちを押さえ込んで無理してるんじゃないかって...」
その度に自分に言い聞かせて、大丈夫だって言い聞かせて...。
『だけど』って考え直すことばかりやってた。
翔ちゃんや相田さんに言われても、東野さんや大貫さんに言われても、答なんて出なくて...。
「でもね、私やっぱりどんな東野さんも好きみたい。今分かっちゃった。...誰を好きとか、そんなの関係ないと思うの」
抱き締める力は弱まり、そっと翔ちゃんから離れた。
「...この先もずっと、か?」
「うん、ずっと変わらないと思う」
「そっか...」
そう言って力なく笑う翔ちゃんに、私の胸は締め付けられるように苦しくなる。
だけど私、もうこれ以上翔ちゃんに甘えられない。
「悪いけど俺も菜々子に対する気持ちは変わらないと思う。...でも、勝手に想ってるだけだから。これまで通りでいいから。...つーかさっきの、聞かなかったことにして欲しいくらい。普通通りにしてくれ」
「翔ちゃん...!」
それ以上翔ちゃんは何も言うことなく、部屋へと戻って行った。
荒々しくドアが閉まる音が家中に響き渡る。
「...私ってば最低だ」
バカで最低なんて、救いようがない女じゃない。