君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
いつもは周りの目も気にして近くのオシャレで、有名なカフェにランチへ行っていたけど、今日はこじんまりとした定食屋さん。


小山君連れてカフェなんて行って、誰かに見られたりしたら変な噂が囁かれるのも時間の問題。


…だけど私は定食屋さんが大好き。


大学時代はよく翔ちゃんと桜子と行っていたものだ。


安くて美味しくて満腹になる。

まさに理想の場所。


「あ―…えっと、一からって言ってもどこから話したらよいやら」


『はいよ!サバ味噌定食2つね!』


タイミングよく運ばれてきたご飯。


「だから最初からよ。私が分かるようにね!」


割り箸を割り、小山君へと突き付ける。


すると小山君は観念したのか大きなため息を漏らした。


「分かったっすよ…でも、絶対俺から聞いたって言わないで下さいよ」


「それは勿論よ」


「東野さんの前の部長って櫻田さん分かります?」

「えっと、たしか笹山さん…だったわよね?」


「因みにどんな人だったか知ってます?」


「さすがにそこまでは…」


それに何より私は東野さんにしか興味がなかったしな。



「櫻田さんも気付いたと思いますけど、営業部に今女性社員いないんですよ」
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