君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「菜々子、俺はいつまでも傍にいるよ。幼馴染みとして、友人として、男として...。辛い時はちゃんと甘えろ。いつもみたいに、ちゃんと慰めてやるから」


「翔ちゃん...」


そっと私を抱き寄せてくれた。



「...おかえり、菜々子」


頭を優しく撫でられ、それが合図と言わんばかりに、私の瞳からは涙が溢れた。溢れて溢れて...。
声をあげて泣いてしまった。

一生のうちに流す涙を流してしまっているんじゃないかって思うほど、沢山泣いてしまった。


そんな私の傍にずっと一緒にいてくれたのは、翔ちゃんだった。


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それから、予定通り東野さんはニューヨークへと旅立った。...あの日から一言も話すことなく。


きっとこれが、私の望んだ現実ーー...。
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