君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
君が好き。
緑の多い町並み。懐かしい町並み。私が生まれ育った町並み...。
戻ってきてから、はや三年という月日が過ぎていた。
「菜々子~お醤油買って来てちょうだい」
「えぇーまたぁ!?この前もお母さん買い忘れたよね!」
帰宅し、先にお風呂に入ってのんびりしていると、おたまを持ったお母さんが部屋へとやって来た。
「仕方ないでしょ。お母さんだって歳なんだから買い忘れの一つや二つ、やって当たり前なのよ。さっさと買ってくる!」
「あっ、ちょっとお母さん待って!私すっぴんなんだけど!」
「別にいいでしょ?見られて困る人なんていないんだから。頼んだわよ」
言うだけ言ってテーブルの上に五百円玉を置き、さっさとキッチンへと戻って行った。
「...そりゃ確かに見られて困る人はいない、けどさ」
ーーーーーーーー
ーーーーー
東野さんがニューヨークへ異動してしまい、藤原さんが部長となり私は、藤原さんの下で数ヶ月仕事をしていた。
仕事は楽しかったし、営業部のみんなはいい人だし。橘さんとも相変わらず口喧嘩ばかりしていたけど、なんだかんだ一緒にいて楽しい毎日だった。
...だけど、どうしてもダメだった。気が付くと東野さんの面影を探してしまっている自分がいたの。あれだけ考えて、考えて。
悩んで出した答えだったのに、あそこにいると東野さんとの思い出が邪魔をして、私の決心なんてすぐに崩れちゃうの。
そこからまた考えて、悩んで...。
退職して地元へと戻ってきた。
「...もう三年、か」
ううん。違うな。『まだ三年』かな。
年が明けて2月。まだまだ寒い季節。
自転車に乗りながら、ふと空を見上げるときれいな星空が広がっていた。
戻ってきてから、はや三年という月日が過ぎていた。
「菜々子~お醤油買って来てちょうだい」
「えぇーまたぁ!?この前もお母さん買い忘れたよね!」
帰宅し、先にお風呂に入ってのんびりしていると、おたまを持ったお母さんが部屋へとやって来た。
「仕方ないでしょ。お母さんだって歳なんだから買い忘れの一つや二つ、やって当たり前なのよ。さっさと買ってくる!」
「あっ、ちょっとお母さん待って!私すっぴんなんだけど!」
「別にいいでしょ?見られて困る人なんていないんだから。頼んだわよ」
言うだけ言ってテーブルの上に五百円玉を置き、さっさとキッチンへと戻って行った。
「...そりゃ確かに見られて困る人はいない、けどさ」
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東野さんがニューヨークへ異動してしまい、藤原さんが部長となり私は、藤原さんの下で数ヶ月仕事をしていた。
仕事は楽しかったし、営業部のみんなはいい人だし。橘さんとも相変わらず口喧嘩ばかりしていたけど、なんだかんだ一緒にいて楽しい毎日だった。
...だけど、どうしてもダメだった。気が付くと東野さんの面影を探してしまっている自分がいたの。あれだけ考えて、考えて。
悩んで出した答えだったのに、あそこにいると東野さんとの思い出が邪魔をして、私の決心なんてすぐに崩れちゃうの。
そこからまた考えて、悩んで...。
退職して地元へと戻ってきた。
「...もう三年、か」
ううん。違うな。『まだ三年』かな。
年が明けて2月。まだまだ寒い季節。
自転車に乗りながら、ふと空を見上げるときれいな星空が広がっていた。