君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
だけど、両親はそんなこと言わない。
『時期がきたら、すぐ嫁ぐもんだよ』って庇ってくれる。
でもー...この前、お母さんと休みの日に昔のアルバムを見ていた時、聞いちゃったんだよね。
『お父さんは分かりづらい人かもしれないけど、本当に菜々子のことが大好きなのよ』
『早くいい人といい家庭を持たせて、孫の顔でも見たいんじゃないかな』
不思議と歳を取るほど、両親の偉大さに気付く。
「お父さん...」
「ん?」
「...長生きしてよね」
私が結婚して子供を産んで。
子供が子供を産むまでずっと...。
「何を言い出すかと思えば...。年寄り扱いはまだ早い」
「えぇ~だってお父さん後少しで定年じゃん!」
「バカ言うな。まだまだ現役だ!」
ーーーーーー
ーーー
「...な~んて言うんですよ。うちのお父さん」
「素敵じゃないの。でもいいわねぇ、櫻田家は。我が家にもそんな未来があればいいんだけど」
箸を休め、大きな溜め息を漏らす藤枝さん。
「確か藤枝さんの娘さんって高校生でしたっけ?」
「そう。反抗期真っ只中よ」
藤枝さんはもう一人の経理事務の職員で、私の先輩でもあり、良き相談相手でもある人。
気さくで誰にでも優しくて。曲がったことが大嫌いで明るい人。ついつい何でも話しちゃうのよね。
「櫻田さん。来月の休み、6日から8日まで三連休、有休でいいかな?」
「あっ、はい!すみません。三連休頂いてしまって」
社長が休み希望ノート片手にやってきた。
「いやいや、友人の結婚式なんだろ?気にせずゆっくりしてきなさい」
「ありがとうございます」
一礼すると、にこにこしたまま、社長は自分のデスクへと戻っていった。
「いつ見ても仏様みたいなお顔をしてるわよね、うちの社長は」
「はい。見ててなんだか癒されちゃいます」
「確かに!」
思わず藤枝さんと顔を見合わせ、笑ってしまった。
社長はお父さんと昔からの友人で、入社のきっかけをくれた人。面接の時もずっとにこにこしてて、変に緊張することもなく。無事内定を貰えた。
「そっか~菜々子ちゃん、来月3日間もいないのね」
「すみません」
「全然!ちょっと淋しいなって思っただけ。それに前の職場の友人の結婚式なんでしょ?」
「...はい!」
『時期がきたら、すぐ嫁ぐもんだよ』って庇ってくれる。
でもー...この前、お母さんと休みの日に昔のアルバムを見ていた時、聞いちゃったんだよね。
『お父さんは分かりづらい人かもしれないけど、本当に菜々子のことが大好きなのよ』
『早くいい人といい家庭を持たせて、孫の顔でも見たいんじゃないかな』
不思議と歳を取るほど、両親の偉大さに気付く。
「お父さん...」
「ん?」
「...長生きしてよね」
私が結婚して子供を産んで。
子供が子供を産むまでずっと...。
「何を言い出すかと思えば...。年寄り扱いはまだ早い」
「えぇ~だってお父さん後少しで定年じゃん!」
「バカ言うな。まだまだ現役だ!」
ーーーーーー
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「...な~んて言うんですよ。うちのお父さん」
「素敵じゃないの。でもいいわねぇ、櫻田家は。我が家にもそんな未来があればいいんだけど」
箸を休め、大きな溜め息を漏らす藤枝さん。
「確か藤枝さんの娘さんって高校生でしたっけ?」
「そう。反抗期真っ只中よ」
藤枝さんはもう一人の経理事務の職員で、私の先輩でもあり、良き相談相手でもある人。
気さくで誰にでも優しくて。曲がったことが大嫌いで明るい人。ついつい何でも話しちゃうのよね。
「櫻田さん。来月の休み、6日から8日まで三連休、有休でいいかな?」
「あっ、はい!すみません。三連休頂いてしまって」
社長が休み希望ノート片手にやってきた。
「いやいや、友人の結婚式なんだろ?気にせずゆっくりしてきなさい」
「ありがとうございます」
一礼すると、にこにこしたまま、社長は自分のデスクへと戻っていった。
「いつ見ても仏様みたいなお顔をしてるわよね、うちの社長は」
「はい。見ててなんだか癒されちゃいます」
「確かに!」
思わず藤枝さんと顔を見合わせ、笑ってしまった。
社長はお父さんと昔からの友人で、入社のきっかけをくれた人。面接の時もずっとにこにこしてて、変に緊張することもなく。無事内定を貰えた。
「そっか~菜々子ちゃん、来月3日間もいないのね」
「すみません」
「全然!ちょっと淋しいなって思っただけ。それに前の職場の友人の結婚式なんでしょ?」
「...はい!」