君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「東野...さん?」
神様の前で、上を見上げていた。
後ろ姿はあの頃と変わらないまま。片想いしていた時からずっと飛び付きたくて仕方なかった、大きな背中。
私の声に気付き、ゆっくりと振り向いたのはやっぱり東野さんで...。
「東野さん...」
夢じゃないかって疑ってしまう。こんな幻想的な空間の中。日射しがまるで夢の世界を演出しているかのようで、疑わずにはいられない。
東野さんは言葉を発することなく、ゆっくりと私の方へと近付いてくる。そして、私の目の前まで来ると東野さんは立ち止まる。
顔を上げて久し振りに見た東野さんはやっぱりかっこよくて、ドキドキする。聞きたいことは沢山あるのに言葉が出ない。言いたいことも沢山あるのに言葉なんて出ないよー...。
先に口を開いたのは東野さんだった。
「それ...気付いてくれたんだな」
そう言って東野さんが指差したのは、私が手にしていた指輪のケース。
「...気付くに決まってるじゃないですか」
忘れられるわけないよ。大好きな人からのプレゼントを。
...大好きな人からのプロポーズを。
「...今日は報告に来たんだ」
「えっ...報告?」
報告ってまさか、大貫さんとのこと?
さっきまであんなに幸せな気持ちだったのに、そんな幸せな気持ちは一気に急降下してしまい、不安の波が押し寄せてくる。
「菜々子に言われただろ?ちゃんと奈津美と向き合ってないって。逃げてるって。...図星だったよ。もう終わったことだ。何を今更。って言う自分と、なんでちゃんと言ってくれなかったんだ、あの時あぁしていれば...って後悔してる自分がいたよ。菜々子に言われて認識した自分に嫌気が差した」
東野さん...。
「ごめんな。あれから何も言わず、ニューヨークに行ってしまって」
そんなことない。
すぐに首を横に振った。
「...ちゃんと奈津美と向き合ったよ。少しずつだけど、奈津美と話もしていった。昔の話や離れていた時の話、色々話した」
やだな。これ以上東野さんの話を聞くのが怖い。出来れば耳を塞ぎたいくらい。
「...本当に色々話した。お互い納得いくまで話して...。でも、どんなに話しても、お互いの未来が繋がらないんだよ」
神様の前で、上を見上げていた。
後ろ姿はあの頃と変わらないまま。片想いしていた時からずっと飛び付きたくて仕方なかった、大きな背中。
私の声に気付き、ゆっくりと振り向いたのはやっぱり東野さんで...。
「東野さん...」
夢じゃないかって疑ってしまう。こんな幻想的な空間の中。日射しがまるで夢の世界を演出しているかのようで、疑わずにはいられない。
東野さんは言葉を発することなく、ゆっくりと私の方へと近付いてくる。そして、私の目の前まで来ると東野さんは立ち止まる。
顔を上げて久し振りに見た東野さんはやっぱりかっこよくて、ドキドキする。聞きたいことは沢山あるのに言葉が出ない。言いたいことも沢山あるのに言葉なんて出ないよー...。
先に口を開いたのは東野さんだった。
「それ...気付いてくれたんだな」
そう言って東野さんが指差したのは、私が手にしていた指輪のケース。
「...気付くに決まってるじゃないですか」
忘れられるわけないよ。大好きな人からのプレゼントを。
...大好きな人からのプロポーズを。
「...今日は報告に来たんだ」
「えっ...報告?」
報告ってまさか、大貫さんとのこと?
さっきまであんなに幸せな気持ちだったのに、そんな幸せな気持ちは一気に急降下してしまい、不安の波が押し寄せてくる。
「菜々子に言われただろ?ちゃんと奈津美と向き合ってないって。逃げてるって。...図星だったよ。もう終わったことだ。何を今更。って言う自分と、なんでちゃんと言ってくれなかったんだ、あの時あぁしていれば...って後悔してる自分がいたよ。菜々子に言われて認識した自分に嫌気が差した」
東野さん...。
「ごめんな。あれから何も言わず、ニューヨークに行ってしまって」
そんなことない。
すぐに首を横に振った。
「...ちゃんと奈津美と向き合ったよ。少しずつだけど、奈津美と話もしていった。昔の話や離れていた時の話、色々話した」
やだな。これ以上東野さんの話を聞くのが怖い。出来れば耳を塞ぎたいくらい。
「...本当に色々話した。お互い納得いくまで話して...。でも、どんなに話しても、お互いの未来が繋がらないんだよ」