君が好き。～完璧で女嫌いなカレとの恋～

「そんなの簡単じゃねぇか。辞めちまえよ」


「バカ桜子！そう簡単にいくわけないだろ！？」


「なんでだよ。菜々子すっげぇ頑張ったと思うぜ。私だったら初日でぶちギレてみんなボコッて辞めるね」


…桜子に相談した私がバカだったわ。


あれから家に帰ると二人共ご飯を作って待っていてくれて（正確には翔ちゃんが全部作ってくれたんだけどね）。


みんなで夕食中、毎日の日課のお互いの愚痴大会で、思わず話してしまったところ、今の桜子の発言に至る。


「桜子と菜々子は違うんだよ！そう簡単に言うな！」


「はぁ？別に私は間違ってなくねぇ？菜々子さ、今のままだったら、マジでストレス溜り病で死ぬぞ？」


「死ぬって…」


しかもなによ、その病名は。


「だからさー、どうにかあいつらをやっつけるんだよ。手玉にとれよ」


手玉ー！？


そんな桜子の発言に、翔ちゃんは大きなため息を漏らした。


「だからさ、桜子は菜々子の話をよく聞いてたのか？菜々子、もう少し頑張れよ。絶対に菜々子の努力を見てくれている人はいるはずだからさ」


「翔ちゃん…」


そう言うと翔ちゃんは私の頭を軽く撫でてくれた。