君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
うわぁ…


ヤバイ。緊張してきた。


ここで私、ずっと働いていくんだよね?


素敵な出会いとかあるといいな…


そんな期待をちょっぴり抱きつつ前へと進むと、受付らしき場所にはなぜか女子達の群れがあった。


……?なんだろう。


なぜかみんな受付には近付かず、遠巻きに見つめてはキャーキャーと騒いでいた。


不思議に思いつつも、その群れをかき分け前へと進むと、そこには受付とかかれた場所に不機嫌そうに、座る男性の姿があった。


……なるほど。


みんなこの人を遠巻きに見つめていたわけね。


確かにカッコイイとは思うけど…。


私はパスだな。


顔がいいだけの男なんて絶対に嫌。どうせロクでもない性格に決まってるし。


そんなことを考えながらも、周りを気にせず受付へと向かった。


なぜか他に受付をしている新入社員はおらず。


ヤバ…もしかして私ってビリだったりする?


だからこの人、こんなに不機嫌なのかもしれない。


そんな不安を抱きつつ、恐る恐る受付の男性に声を掛けた。


「あっ、あの…遅くなってしまい申し訳ありませんでした。新入社員の櫻田菜々子です…」


名前を口にした瞬間、彼の表情が一変する。
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