君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
みっ、見惚れてた!?
今、東野さん見惚れてたって言った!?


金魚みたいに思わず口をパクパクさせてしまい、顔が熱くなるのが分かる。


「時間がない。隣に乗って」


あんな発言をしておいて、いつの間にか足早に東野さんは運転席に乗り込んでいた。


エンジンの音にハッと我に返り、慌てて車に乗り込んだ。


「シートベルト閉めて。俺に少しでも触れるなよ」


「……はい」


あぁ…やっぱりいつもの東野さん。


すぐに車は走り出し、道路に出る。


てか私…今、物凄く大変な事態に陥ってるのよね。


だってあの憧れの東野さんが運転している車に乗ってるのよ?
しかも助手席!!

チラッと東野さんに見る。


やっぱり格好よくて素敵で。


運転している姿はかっこよさがさらに二倍増しだわ。


「櫻田。着く前に伝えておく。櫻田はあくまで俺のパートナーだ。櫻田の腰に手を回すが触れないようにしてほしい」


「…え?」


触れないようにしてほしい?


「歩きながらだろ?ちゃんと俺と歩幅を合わせてくれ。少しでもズレたら、櫻田に触っちまうだろ?」


「はぁ…」


「だからあっちでは俺と歩幅を合わせるように。あとは隣で笑っていろ」
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