君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
うっ…何も言い返せない。

それに橘さんには借りが出来てしまったし。


「まっ!櫻田さんにはお似合いなのかもね」


そう言い、ワインをたしなむ橘さんは、やっぱりいつもの橘さんだ。


「それは失礼。私、別に気にしてませんから。それにこんなに沢山のご馳走があるんですもの。食べない方が勿体ないわ」


別になんて思われようが構わない。

こうなったら開き直るのみよ!


そう思い、またご馳走を食べすすめる。


「…意外なのね」


「えっ…?」


「私、櫻田さんはもっとお高く止まっていて、プライドばかりが高い人なんだと思っていたわ」


橘さんの言葉に、思わず吹き出しそうになってしまった。


プライドばかり高いって...かなり失礼じゃない?

「常に完璧で、誰からも好かれていて…。ハッキリ言って私、櫻田さんみたいな女って嫌いなのよね」


うわぁ…
すごい言われよう。
こんな時は黙秘あるのみ。


そう思い、橘さんの話は聞き流しているかのように、ひたすら食べすすめる。


「…だけど、なんだか今日1日で櫻田さんを見る目が変わったわ」




意外な言葉に、食べすすめる手を止め、橘さんを見つめてしまった。


「あなた本当に意外すぎよ?」
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