君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
最後の方の言葉に刺を感じたのは、きっと私だけかもしれない。


でも―…

あんな風に素直に応援されると、ちょっと照れてしまう。

それにこのドレスだってヘアーだってメイクだって、全部全部が橘さんがやってくれたもの。


感謝しなくちゃ。

そうは言っても、やっぱり橘さんのことは嫌いだけど、ちょこっとだけ...本当にほんっのちょこっとだけ!嫌いの割合が減った気がする。


「まぁ…うん。気がするだけ」


やっぱり嫌いなものは嫌いだ。


あっ…
そういえばなんで藤原さんは橘さんの事を知っていたのかな?


「……………」


しばし考えてみるものの、到底答えなんかにたどり着くわけもない。


「やめやめ。デザートでも食べよ」


こうなったら維持になってでも全種類のお料理を食べて帰るわ!


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ーーーーー

ーーー

東野さんに放置プレイされてから早一時間。

今だに東野さんは戻ってこない。

私の胃袋も満たされてきて、この会場の雰囲気にも慣れてきた私に、眠気が襲ってきた。


東野さんまだかなぁ…

探しに行きたくても、動くなって言われてるしなぁ…

キョロキョロと会場を見渡していると、近くの酔っ払いオヤジがふらふらした足取りで近付いてきた。
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