君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「やばっ!」


ふと腕時計に視線を送ると、出勤ギリギリ時間に迫っていた。


慌てて身支度を整え、ロッカーを閉め駆け足で営業部へと向かった。


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「おはようございます」


ドアの前で息を整え、走ってきたとは思われないよう挨拶をする。


遅刻ギリギリになってしまい、慌てて走ってきたなんて悟られたくないわ。


助かることに営業部の皆さんは出勤時間が早い。

これでも私もはるかに早く来てはいるんだけど、みんなそれよりも早いのよね…

最初はとにかく感じ悪くて最悪だなって思っていたけど、でも仕事に対する姿勢は尊敬に値する。
東野さんを筆頭に皆さんに対して。


そんなことを考えながらも、いつものようにみんなにコーヒーを入れ、運んでいく。

最近の私の日課。

みんなにモーニングコーヒーを淹れて、挨拶回りをすること。


「藤原係長、おはようございます。どうぞ」


いつものように、いつもの決まり文句。


「あぁ。おはよう」


そう。返ってくるのは決まって同じ言葉。


「櫻田。…お前やるな」

「…え?」

のはずが、今日はプラスして言葉が返ってきた。
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