君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
そして何事もなかったかのように、仕事を再開する。


えっ…ちょっと待って。

『櫻田なら女嫌いを直せる』って…
それってつまり?


「ふっ、藤原係長…あの、そっ、それはどういう意味ですか?」


内心心臓バクバク。


「どういう意味って…」


平然を装い言ったけど、心の中ではそれどころじゃない。


ドキドキしながら藤原係長の次の言葉を待つ。


すると藤原係長は、仕事する手を休め、意味ありげな表情を私に向けた。


「それさ、今、ここで俺の口から話しちゃっていいわけ?」


……!!


「けっ、けっこうでございます!失礼します」


慌てて頭を下げ、私は給湯室へと逃げ込んだ。


「ヤバイって!」


それってつまりさ、藤原さんは私が東野さんを好きってことに、気付いているってこと…?


……ギャー!!


はっ、恥ずかしすぎて死んでしまう!
穴があったら今すぐに入りたい!!

今まで誰にも気付かれないように、ひた隠ししてきたっていうのに!

橘さんといい、藤原さんといい…


私ってば最近、態度に出すぎているのかしら。


「気をつけないと」
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