君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
「…あ~あ。素直じゃないんだからなぁ…」


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「まっ、待って下さい!東野さん!」


東野さんは本当に歩くのが早くて、橘さんに声を掛けられたって言うのに話す暇もないほど。


そんな私がやっと東野さんに追い付けたのは、エレベーターの前。


「櫻田、取り敢えず秘書は続投だ。どうやらお咎めなしだったようだしな」


「あっ…はい」


そうだ…
私、これからも東野さんの秘書として働けるんだ!


嬉しい!良かった!
…良かったけど…


「あの…東野さん。本当にこの度はご迷惑おかけしてしまい、申し訳ありませんでした」


「えっ…」


「だってっ!…」


急な出張は損害の穴埋めだったんでしょ?
ただでさえ忙しいのに、余計な仕事を増やしてしまった。私のせいで。


「別にお前が謝ることないだろ。これが俺の仕事だ」

「えっ…」


「部下のミスは上司のミスだ」


「東野さん…」


「それに意外な櫻田の本音も聞けたしな?」


「……!!そっ、それは」

「まっ!これからも頼むよ。櫻田」


あっ…!


そう言うとまたあの時の笑顔を見せてくれた。
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