君が好き。~完璧で女嫌いなカレとの恋~
奢ってもらったコーヒーをちびちびと飲みながら、相手の出方を待つ。


「…櫻田ってさ、おもしろいよな」


「……へ?」


出方を待っていたはいいけど、突然のおもしろい発言?
えっと…これってなんて答えたらいいのかしら。


そうですよねって言うのも、なんだか自分で言ってて虚しい気がするし…。


「東野から聞いたよ。営業部で頑張りたいって言ったんだって?」


「えっ…!あ…はい」


「フッ…櫻田は違う意味で言ったんだろ?東野に」


「えぇっ!?」


ちっ、違う意味って…!


「櫻田は東野の秘書として営業部に残りたいって意味で伝えたんだろ?まぁ…あいつには伝わらなかったんだろうけどな」


「ふっ、藤原係長…?以前にも言いましたが、なぜ私がその…東野さんに対してそのようなかっ、感情を持っていると思ったんですか?」


不思議でしょうがない。

なんでバレたの?


「あぁ。橘から聞いた」


「…え?」


橘さんから?


思いもよらない名前に頭がフリーズ。


「パーティーの時に橘から聞かなかったか?」


私は首を思いっきり横に振った。


そんな話、全く聞いてません!
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