2LDKの元!?カレ
「根拠は……ちゃんとありますよ」
西野くんはニヤリ、と笑い、私を連れ出して、資材庫へと向かった。
ここは他の編集部も共同で使っているいわば物置のようなところ。
スチールの棚が所狭しと並んでいて、今にも崩れ落ちそうなほどなんだかわからない段ボールが山積みになっている。
編集部に異動になってっからも、ここには数えるほどしか立ち入ったことがない。
電子錠の暗証番号を押して鍵を開けて中に入ると、西野くんは迷うことなくラルゴが使用している棚の方へと歩いていく。
「こっちです」
「……よくわかるね」
「バイトで出入りしていたころは、ここで一日資料整理とかしてたんで。どこに何があるのかくらいは分かりますよ」
ふーん、と感心しながらついていくと西野くんは一番奥で足を止めた。
「ここです……確かこれだったかな」
手にしたのは、今年の西暦が書かれた段ボール。