2LDKの元!?カレ

ごめんね、西野くん。

不安にさせて……ごめん。

そう心の中で詫びて、私は彼に笑顔を向けた。

「もちろん、そのつもりだけど」

いこう、私はそう言ってカートを押して歩き出す。

「……あ、待ってください、志保子さん」
「西野くん、早く。まずは、野菜売り場からね」

私たちは店内を隅から隅まで巡って、食材や調味料などをカゴいっぱいに詰め込んでいく。

もちろん最後にはフライパンも選んだ。

慣れない店ではどこに何が置いてあるのかがわからなくて、思った以上に時間が掛かってしまったけれど、二人で吟味しながらする買い物はとても楽しかった。

レジを済ませて買い物袋四つを手分けしてもつと、西野くんのアパートへと向かった。

「着きました、ここの二階です」

五分ほど歩いて見えてきたのは、きれいだが築年数は意外と経っていそうな二階建てアパートト。

< 117 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop