2LDKの元!?カレ

 目覚めたのは昼近く。喉の渇きを感じた私は、気怠さの残る体を無理やり起こして下着だけを身に着けた。

鈍く痛む腰をさすりながら玄関先まで歩いていき、そのままになっていた買い物袋からミネラルウォーターのペットボトルを一本取り出す。

触れた感じはひんやりとしているが常温のままのそれは、おそらく美味しくはないだろう。

しかし、背に腹は代えられない。

私はキャップを開けると一気に胃に流し込んだ。

「やっぱりおいしくない」

ひとり笑って空になったペットボトルを流し台の上に置き、買ってきた食料品を仕分けしながら冷蔵庫の中にしまった。

私はそのまま自分のカバンに手を伸ばすと、ノートPCを取りだして立ち上げる。

それからデータカードをUSBポートに差し込んでインターネットに接続すると、早速メールの確認を始めた。

見ておいてよかった。

私は返答待ちをしていたカメラマンからのメールに早速返事を送る。

このタイミングを逃したら、彼のスケジュールを押さえられなかったかもしれないのだ。

ホッと胸を撫で下ろしながら、そのほかのメールに目を通していく。

「何してるんですか?」

突然背後から抱き付かれて、私は小さな悲鳴を上げた。


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