2LDKの元!?カレ

「そんなに驚かなくてもいいじゃないですか」
「……だって、いきなりなんだもん」
「そんな恰好でメールチェックですか」
「うん」

回された手が自然と胸に触れる。私はそれ以上動かないように、彼の両手を掴んだ。

「起きたら隣に志保子さんがいないからどうしたのかと思いましたよ」
「ごめんね。でも、確認してみて本当によかった。今度の企画で起用したかったカメラマン。依頼受けてくれるって」
「そうですか、よかったですね」

明らかに心のない返事に聞こえた。

「それ、全然よかったって思ってないでしょう」
「いいえ。そんなことより、腹減りません?」

西野くんはそういいながら私の首筋に唇を押し当てる。

「ちょっと、くすぐったいからヤメテよ」
「じゃあ、何か作ってくれます?」
「少し待って。あと一件、返信したいメールがあるの。終わったら作るね」

最後まで言い終わらないうちに、西野くんは私のノートPCをパタンと閉じてしまった。

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