2LDKの元!?カレ
下着を外して遠慮がちに浴室の戸を開ける。
すると浴槽にお湯を張りながらシャワーを浴びようとしていた西野くんと目があった。
「志保子さん」
「……入っていい?」
気まずさを堪えて聞いてみる。すると西野くんは頷いてくれた。
「もちろん、いいですよ」
体を洗ってから、まだお湯が半分にも満たない浴槽に向かい合うようにして浸かる。
立ち上る湯気の向こう側で西野くんはポツリと呟いた。
「……さっきはすみませんでした。大人気なかったなって反省してます」
西野くんの言葉に、私はゆっくりと首振った。
「ううん、謝らないで」
オンオフの切り替えが下手なのは、自分でもよく分かっている。
だから彼を責めることはできない。
「反省するのは私の方。ごめんね」
「……志保子さん」
西野くんは私の腕を掴むと、強引に引き寄せる。
大きな水音を立てて彼の胸に飛び込むと、息ができないほどにきつく抱きしめられた。
「オレ、なんかもう。あなたが好きすぎてどうしようもないです」
「うん。ありがとう」
そんな彼の気持ちに応えるためにも、私は変わる努力をしなければならない――そう思った。