2LDKの元!?カレ
失って気付くこと



日曜の夕方。

金曜の夜から西野くんの家で過ごした私は自宅マンションへと戻った。

これから、この部屋をどうするのか、聡と話し合いをする。

住み始めて3年。長いようであっという間だった時間。

今でもこの部屋を初めて見に訪れた日のことは鮮明に覚えている。

その当時、賃貸マンションを探していた私たちは、そこの担当者に田舎暮らしを始めるため、部屋を売却したいという老夫婦を紹介された。

築年数30年を超えたマンションは、外観こそ古めかしいが、中身はしっかりとした造りで、水回りなどの簡単なリフォームを行えば住むには何も問題はなかった。

それとなによりも好立地であること、ローンを組んだ場合月々の支払いが、今住んでいるお互いの家賃を足した値段とそう変わりがないこともあって、三日悩んで決めた。

最終的に買おうか、といったのは聡だ。

プロポーズの言葉こそ出なかったが、あの時はそれと同じだと思っていたから。

自分たちの未来に、こんな結末が待ち受けているだなんて、考えもしなかったのだけれど。


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