2LDKの元!?カレ

 翌朝、ふと目を覚ますと自分のベッドの中にいた。昨日の疲れからか、なかなか起き上がることができない。

何度も寝返りを繰り返していると、ある疑問が浮かんだ。

「……そういえば、私」

仕事をしながらうとうととしていた所までは覚えているが、自分でベッドへもぐり込んだ記憶はないのだ。

もしかしたら、聡がここまで運んでくれたのだろうか。

気まずさと気恥ずかしさが込み上げて思わず叫びたくなった。私はそれを堪えるように、ボスっと枕に顔を押し付ける。

しばらくそのままの体勢でいたが、いつまでもこうしていても仕方がないとベッドから這い出す。

ペタペタとフローリングの上を歩いていってクローゼットを開け、そこから白いシャツとベージュのストレッチパンツを選んで取り出すと、ポイントに夏用のストールを合わせて着替えを済ませる。

顔を洗ってメイクを終えると、もうすでに出勤時間が迫っていた。

みればリビングのテーブルには広げたままのノートPCと資料。床にまで置かれた資料を慌ててかき集めると使い古した自社の封筒に押し込む。

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