2LDKの元!?カレ
病院を出るころには、午前三時を回っていた。
ひとりで中野まで帰るつもりだったが、立ち上がるとまだめまいがして、ふらふらと体が揺れた。
「今日は、このままマンションに泊まったらいい」
確かひとりで帰るのは危うい。でも、泊まるのは気が引けた。
じゃあ、どうしたらいいのか。手段なんてたくさんあった。でも、今の私にはそれを考える余裕なんてなくて。
「……本当に泊まってもいいの?」
遠慮がちに確かめる。
「ああ、もちろん。こんな状況で、それでもオレに甘えたくないなんて言うなよ」
「いわないよ」
聡は私の体を支えながら、タクシーを呼んだ。
マンションに着くと、聡は自分の部屋のベッドに私を連れて行く。
私の部屋のベッドは、おそらくマットレスがむき出しの状態だ。
余計な詮索をする余裕もない。おそらく聡は、私の体を気付かってくれたのだろう。素直に横になると、聡は優しく私の頭をなでて部屋を出て行った。