2LDKの元!?カレ

こんな状況で優雅にランチ。などと洒落込んでいる場合ではないのは百も承知だ。

それでも、みちるには話を聞いてもらいたかったのだから仕方がない。結果、ライバルにネタの提供をしてしまい、自分で自分の首を絞める羽目になってしまったのだけれど。

しかしながら、まあ、おいしいランチを堪能できたのだからよしとしよう。

デザートは、小ぶりのココットに入ったクレームブリュレだった。ゆっくりとスプーンを差し込むと、焦げたキャラメルがパリパリと小気味よい音を立て割れる。

小さくすくって口に含むと、キャラメルの苦みが程よく効いた、まるでみちるのような大人の味がした。

ランチを終えて、帰社すると西野くんの姿はなかった。

どうやら編集長に同行しているらしく、今日はそのまま直帰するらしい。そうバイトの真田さんから聞いて、自分のデスクでPCを開くと、西野くんから同様の内容でメールが入っていた。


< 31 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop