2LDKの元!?カレ
こんな状況で優雅にランチ。などと洒落込んでいる場合ではないのは百も承知だ。
それでも、みちるには話を聞いてもらいたかったのだから仕方がない。結果、ライバルにネタの提供をしてしまい、自分で自分の首を絞める羽目になってしまったのだけれど。
しかしながら、まあ、おいしいランチを堪能できたのだからよしとしよう。
デザートは、小ぶりのココットに入ったクレームブリュレだった。ゆっくりとスプーンを差し込むと、焦げたキャラメルがパリパリと小気味よい音を立て割れる。
小さくすくって口に含むと、キャラメルの苦みが程よく効いた、まるでみちるのような大人の味がした。
ランチを終えて、帰社すると西野くんの姿はなかった。
どうやら編集長に同行しているらしく、今日はそのまま直帰するらしい。そうバイトの真田さんから聞いて、自分のデスクでPCを開くと、西野くんから同様の内容でメールが入っていた。