2LDKの元!?カレ
そんなみちるのことだ。
私が『新しい彼女のことを打ち明けてもらえなかったから』などという理由で、家を飛びだして来た事を打ち明けたら、笑うに違いない。
そんなことを考えながら、部屋のインターフォンを押す。
するとすぐに玄関のドアが開いて、中から部屋着姿のみちるが顔を覗かせた。
「いらっしゃい、志保子。どうそはいって」
「いきなりごめんね、おじゃまします」
ペコリと頭を下げながら中に入ると大理石が敷かれた玄関でパンプスを脱ぎ、差し出されたふかふかのスリッパを履く。
長い廊下を進んで、通されたリビングは、この前来た時と少し雰囲気が変わっていた。
「あ、家具変えたの?」
「うん、素敵でしょ」
お洒落な壁紙と、英国調のエレガントな家具で統一された室内は、まるでドールハウスみたいにかわいらしい。
先月号のラルゴで特集したセレブライフ。みちるはそれを地でいく女だ。
「お茶入れるから適当に座ってて」
「うん」
私は床にカバンを置くと、柔らかなソファーに身を沈めた。