2LDKの元!?カレ

本当は分かっているんだ。

自分でどうにかしなければならないってことくらい。

感情で動いて、無駄に拗(こじ)らせたのは自分自身なのだから。

「分かってはいるけどさ」

心ばかりが逸って思考が全く追いついて行かない。今日ばかりは、みちるのようになれたらと真剣に思う。

私は膝を抱き寄せて背中を丸めると、そのままゴロンと横になった。

体はすごく疲れているのに、頭は冴えているようで、まったく眠くはなくて。ただぼんやりと、テーブルの上で揺れるアロマキャンドルの炎をみつめながら、みちるが戻ってくるのを待った。

「おまたせ、って眠いの?」

みちるはチーズが載った皿をテーブルに置くと、こんどは慣れた手つきでワインのコルクを抜く。

「……ううん、眠くない」

私はいいながら起き上がって、ワインが満たされたグラスを受け取った。


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