2LDKの元!?カレ
翌朝、私はみちるのワードローブから、ベージュのカシュクールワンピースを貸してもらった。
フォーマルにも使えそうなそのデザインは、ウエストで結ぶ大き目のリボンがアクセントになっていてとても素敵だ。
これなら今夜行く予定のル・シエルへも着て行けるし、今身に付けているアクセサリーにも、履いてきたパンプスにも合わせられる。
持ってきたカバンは少し地味だけれど、海外ブランドのものだからよしとしよう。
念入りにメイクをして、髪をアイロンで巻いてからシュシュで緩くまとめる。
「よし」
鏡の前で、大きく頷くとみちるが待つ、リビングへ向かった。
「あ、似合うじゃない。サイズもピッタリ」
私の姿を見て、みちるはそう褒めてくれる。
「ありがと」
「どういたしまして。さ、朝ご飯作ったから食べよう」
ダイニングテーブルに並んでいたのは、綺麗な色合いのスムージーと蜂蜜のたっぷりとかかったフレンチトースト。
「わ、カリカリで、しかも中はふわふわですごくおいしい」
「ほんと?よかった」
甘いものはいい。口に入れた瞬間に、幸せの魔法がかかる。ほんの一瞬だけ、問題山積の現実を忘れることができるのだから。