2LDKの元!?カレ
けれど、そう考えるのは私の身勝手な言い分だ。
聡が何もいってくれないから、聡が優しくするから、聡が、聡が。
それは違うと思いながらも、自分に都合の悪いことは全部、聡のせいにしてきた。
『志保子は、駄々っ子だね』
聡はそういって笑っていたけれど、本当に子供みたいだったと思う。
だからもう、つまらない意地を張るのは止めにして、いい加減大人にならなきゃいけない。
大人になって、きちんと話し合おう。
聡は今頃新幹線の中だろうか。隣にはあの人がきっといる。
彼女は私の知らない弁護士としての聡をたくさん知っていて、仕事でも私生活でも彼を支えてくのだろう。
少し、妬ける……でも、お似合いだ。
私は握りしめていたスマートフォンをカバンにそっとしまうと、乗り換えのために電車から降りた。