2LDKの元!?カレ
編集部に到着すると、西野くんは自分のデスクで作業をしていた。
「おはよう、西野くん。昨日はお疲れ様」
「おはようございます、チーフ」
西野くんは眠たそうな顔で、ピースサインを出す。
「鏑木シェフと日曜に会います」
「本当に?」
思わず声を張り上げてしまい、慌てて口を押えた。
私はデスクの椅子に座って西野くんの方に体を向けると、声のボリュームを落としてもう一度確かめる。
「アポが取れたの?」
「はい、詳細まだ決まってなくて、後でメールをくれるそうです。オレ絶対に取材許可取ってきますね」
「うん。でも、ムリはしないでね」
「わかってます」
西野くんはそういって笑っていたけれど、私は心配で仕方がなかった。