2LDKの元!?カレ
そんな面持ちのまま、カバンから取材用のノートを取り出すと、PCの電源を入れる。
すると隣で西野くんが小さく息を吐いた。
「そんな顔、しないでください」
「そんな顔って、別に普通だよ」
いいながら横に顔を向けると、デスクに頬杖をついて私をじっと見つめる。
「そうでしょうか?」
間近で見つめられて、堪らずに顔をそむけると「心配してくれているんですよね?」とまるで分かったような口を利く。
「……分かってるなら、からかわないで」
拗ねた様に言って、そろりと西野くんの方を見る。
すると一瞬で大きな二重の目に捕らえられて、ドクンと大きく鼓動が跳ねた。
「……もう」
私は立ち上がると、逃げる様に給湯室へ向かった。
小さな空間で、壁に寄り掛かるとトクトクと五月蝿い鼓動をなだめる。
それからいつものコーヒーを二人分入れて、デスクへと戻った。