2LDKの元!?カレ
腹ごしらえをしてから数時間。気づいたらすっかり日が傾いていた。
そんな私の背後から真田さんが声をかけてくる。
私に用事でここまで来たのに、彼女の視線はチラチラと西野くんに向けられていて。
それをみて、なんとなく罪悪感が湧いた。
付き合いだしたことはいつか話さなければいけないと思う。
でも、話したらどうなるか――ということは、今はまだ、考えるのはやめにしよう。
「チーフ、受付から電話でお客様が見えているそうです」
「そう。誰だろう……名前と用件は確認した?」
「あ、してません。急いでいるようだったので、今行きますって言っちゃいました」
すみませんとニッコリ微笑まれてしまえば、これ以上何も言えなくなる。
「……わかった、行ってくるね」
私はキイーッと音を立てながら椅子を引くと、勢いよく立ち上がった。
それから急いで一階まで降りていく。