2LDKの元!?カレ
仲直りだなんて。
おそらく本心じゃないだろうに。
きっと彼女は、聡のことが本気で好きなのだろう。
だからこんなふうに、頭を下げることができるのだ。
「大丈夫です。仲直りはするつもりだから。でも実は私と聡は、だいぶ前に別れてるんです」
私がそういうと、彼女ははじかれたように顔を上げた。
「そんな……そうだったんですね。でも先生は、まだあなたのことが好きなんだと思います」
私のことがまだ……好き。
嬉しいはずのその言葉は、今は私を苦しませるだけだ。
私はその言葉を否定するように首を横に振る。
「そんなはずないですよ。例えそうだとしても新しい彼ができたので聡とはヨリを戻すことはないです。それにあのマンションも、近いうちに出ていくつもりでいますから」
まるで自分に言い聞かせるように、彼女に向かってハッキリとそう告げた。