2LDKの元!?カレ
でも、もうそうはいかない。
いよいよこうなって、惜しくなるなんて。
私、どうかしている。
だめだ、ちゃんと言わなきゃ。
誤解していたことを誤って、西野くんと付き合い始めたことを話して。
そしていうんだ、近いうちにこのマンションを出ていきたいって。
「あのね……あの」
でもやはり、言葉が出てこない。
何度も心の中で繰り返した言葉が、これっぽっちも出てきてはくれない。
「……志保子。取りあえず、部屋に入ろうか」
見かねた聡は「ほら、靴脱いで」と優しく手を差し伸べる。
私はその手につかまってパンプスを脱ごうとした。
なのに、聡はその手を引き寄せて、私を抱きしめた。