2LDKの元!?カレ
私はその姿に胸を押しつぶされそうになりながらも、言葉を続ける。
そうすることで、自分が楽になりたかったから。
もう迷わないように、後戻りできないように、前へ進めるように。
「もう決めたの」
「……そうか」
「マンションのローンのこともちゃんと考えてる。私の貯金で完済できると思うの。だから、いい?」
聡はゆっくりと体を起こすと、大きく頷いて見せる。
「いいも何も、志保子が決めたのなら、オレに引き止める権利なんてないんだ。それにローンのことは、心配するな」
それから優しく微笑むと、私の頭をポンと叩いた。
「今、幸せなんだよな?」
「……うん」
「じゃあ、ちゃんと笑ってろ。オレは、君が幸せなら……それでいい」
聡の言葉は本心なのだろうか。
彼の心を探りたくなるのは、私が別の言葉を期待していたからなのかもしれない。
そんな思いを否定するように、小さく頭を振ると、私は聡に笑顔を向けた。