2LDKの元!?カレ
「ありがとう、聡」
聡の瞳に映った自分を見つめてホッと胸を撫で下ろす。
大丈夫、ちゃんと笑えてる。
それからパンプスを脱いでカバンを手に取ると、聡が言った。
「……なあ志保子」
「なあに?」
「……夕飯、まだだろう?オレ、作るから一緒に食べよう」
「いいの?」
そう聞いた私に、聡は一瞬困ったような顔をして「当り前だろう?」と笑った。
着替えてダイニングテーブルに付くと、白米とお味噌汁、塩で揉んだだけの胡瓜とカブの浅漬けが並んでいて、大阪土産の小ぶりの餃子は、焼きたてのものを出してくれる。
「いただきます」
「どうぞ、召し上がれ」
二人で食卓に付いたのは久しぶりだった。もう、いつ以来か思い出せない。
でも、聡の作る料理の味は相変わらずだ。
美味しい。