イジワル上司のヒミツ
「コーヒーごちそうさまでした!携帯も引き取ったし…私帰ります」


茉莉が心配してるだろうしね…




「…お前バカ?」

「…?」


課長は、クスっと笑った。






「タダで帰るなんて言わねえよな?俺はまだ、お前になにもしてもらってない」

「え…」


ま、まさか…それって・・




課長はタバコを消して、私にゆっくりと近づいてくる。





「や、やめてっ」


課長から遠ざけるために、後ろに下がろうとした時…





ドサッ


「きゃっ」


よろけて、転んでしまった。

課長はそんな私を見て、どんどん近寄ってくる。



嫌…誰か助けてっ!




そう胸の中で唱えると、課長が私の腕を掴む。

もう、終わりだと思ったその時…







「…やっぱり無理があるな」


っ!!!


課長はギリギリまで私に近づいたあと、ボソッとそう言った。






い、今なんて…???




「立ちな…」
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