イジワル上司のヒミツ
「あの…………その……」


どうしよう…

本当のことを言うわけにもいかないし…





「剛志……のことは、確かにショックだった……」


私の口は、不思議なくらいに素直に開き、喉から声が出た。





「剛志は、東京に来て初めて出来た彼氏だっから…私にとって特別だった。本気で好きだったし。でも、浮気されてて……それ追求したら、開き直ってたし…」

「最低」

「死んでしまえ」


梓と紗耶香は、同じ顔をして、同時にお酒を飲んだ。





「別れ際も、あっさりだったし…しかも電話だし。本当に呆れる・・ってゆうか、あんな奴好きだった自分が、マジでバカ」

「美玲…」


梓が私の手を握る。



その手はすごく温かくて、優しかった。
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