イジワル上司のヒミツ



そんな女優を見て、湊さんは自分の着ていたダウンジャケットを脱ぎ、その女優に着せた。




「キャーー!♡」

「やばい〜」


その光景を見て、周りにいるファンたちが騒ぎ始めた。



胸が痛い…


他の女性に優しくする湊さんなんて…

見てらんないよ…




「ごめん、ちょっと電話…」



私は梓と紗耶香にそう伝えたあと、そこから逃げるように走った。



もちろん、電話なんて鳴ってない…

その場から、逃げたかっただけだ。






「ハァ…」


撮影場所から、少しだけ離れた所に、噴水とベンチがあった。

そこは駅からも近く、カップルや人が多かった。



私はそのベンチに腰掛け、大きなため息をつく。

そして…





「……………っ」
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