イジワル上司のヒミツ



え…もうそこの話題!?

私まだ、心の準備ができてないんですけど!





「まあ、座れ」


リビングにある、黒くて高そうなソファーを、ポンポンと叩く朝日湊。

私は「は、はい」と緊張しながら、そのソファーに腰掛けた。



ぎし…





えっ!


すると朝日湊も、私の隣に座ってくる。



隣に、朝日湊がいる!!

どどど、どうしたらいいんだーー






「実はさ…」


も、もう話し始めてる!

とりあえず私も、頭を切り替えて、朝日湊の話聞かないと!


「ふう…」と息を吐き、ひとまず朝日湊の話を聞くこうと…姿勢を正す。





「俺、今年の冬のドラマと来年の映画と、来年の夏のドラマの撮影があるんだけど…」

「は、はい…」


もうそんなに予定入ってるの?

さすが、売れっ子俳優だなぁ…




「……そのドラマと映画の役が、もう大体決まってててさ。それ全部、サラリーマン役なんだ…」

「え?ドラマも映画もですか?」

「そ」


そんな偶然あるんだ。

まあ、朝日湊ってスーツ似合うもんね…






「立て続けにサラリーマンを演じなきゃならない。しかも、ドラマと映画とも役柄は上司役」

「上司?」
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