幽霊女に恋をした。
こいつ…口が達者で困る。
けど…
着物を着て、髪も綺麗に整ってる
はるは、女らしくて
とてもかわいい。
着物を着てる時点で、もう相当古い
幽霊なのだろう、ということも分かったが…
「お前、幽霊生活何年目?」
「え…、うーん…150年目、ぐらいですかね?」
「じゃあ…幕末か…」
「…幕…末……?」
150年ほど前といえば、
1860年ぐらいだから…
それぐらいなはずだ。
「それって…どういう意味ですか…?」
なんだか、歯切れが悪いはるに
俺はきっぱりと答えた。
「要するに…江戸幕府が、滅んだ頃のこと…じゃねぇか?」