幽霊女に恋をした。

晴side




変わらないでほしいっていう


強い願い。




それは、動乱の時代を生きたからこそ


そう思うのかもしれないな…



私はそんなことを思いながら



もう一度空を見上げた。




空は、もう真っ暗で、今にも



泣き出しそうだった。






この空は、鏡みたいに私の心を


映し出す…。



今の私は、記憶を取り戻したい



って気持ちももちろんある。




けど…記憶を取り戻したら……




もう、龍さんや、柊羽さんには


会えなくなってしまう。




この、屋上という場所にも



来られなくなる。




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