幽霊女に恋をした。
龍さんと、楽しいおしゃべりが
できなくなると思うと…
言い合いもできなくなると思うと…
すごく、寂しい。
だけど、どの道……
記憶を取り戻せなかった幽霊は
いずれ消えてしまう。
別れが、早いか遅いかの
違いだけなんだ…
龍さんとの別れは刻一刻と
迫ってきているように思えた。
その時、ぽつりと、私の目の前に
雨粒が落ちた。
…この空が泣いているように……
私の心も、寂しさで泣いているみたい…。
もっと…ここにいたいな…
そう、心から思えた瞬間だった。