幽霊女に恋をした。
だけど、それからは進展がなにもなく、
季節は移り変わって
夏になっていた。
「あっちぃ...」
そういいながら、龍さんは
はちまきを巻きなおす。
今は、体育祭とやらの練習の
時間らしく...
龍さんは、バトンというものを
次に走る人に渡すために走る
よくわからない競技に出るらしい。
「龍さん、出るからには勝たなきゃですよっ!」
そういいながら、拳を固めて見せる。
「お前は暑くねーのかよ」
「?はい」
そう答えると、龍さんはため息を
つく。
少し遠いところから、バトンを持った
女の子が走ってくる。