幽霊女に恋をした。
それから数日、龍さんに
学校に来るかと聞かれても
ずっと断っていた。
あの人に会うのが怖い。
本能のようなもので、あの人には
近づかない方がいいという
考えが頭に浮かぶ。
「晴、最近どうしたんだよ?」
そんな龍さんの声に、顔を上げる。
「…え?」
「前は、行くか聞くと飛びついてきてたのに。」
そうだ、龍さんが心配するのも
無理がない気がする。
少し前まで、ずっと外に出たがって
いたのに、今はずっと家の中にいても
文句なんて全く言わない。
むしろ、家にいたい。