幽霊女に恋をした。
「なんでもないです」
そういっても、龍さんの表情は
変わらず訝しげなままで、
「ただ、ここにいたい気分ってだけで、特別な理由なんて…」
「ウソだろ」
「え?」
急に龍さんの顔が近づき、しかも
図星をさされてしまう。
「う…嘘じゃな…」
「お前、ウソつくときは目が泳いでんの」
そう、龍さんに指摘され
あ…そういえば…
と思い返す。
いつもなら、しっかり目を見て話す
というのが習慣になってるけど、
確かに、嘘をつくときって
視線が定まらないかも……