幽霊女に恋をした。
「ん...?」
辺りを見渡すと、わたしはまた
昔の風景の中に立っていた。
また、ここに来れた...!
今回は昼間で、この前の時は夜だったから
だいぶ雰囲気が違う。
町は活気があって、人々が行き交っている。
見知った人は居ないかと、きょろきょろ
してみると...
「あっ...」
肩上ぐらいの髪が風でなびく。
長身で、背中を丸めて歩くその様子は...
沖田総司。
前に見た時も、その前に見た時も
たくましそうな印象だったけれど、今回は
なんだか、変な気がする。
彼は、前かがみになって苦しそうに
咳き込んでいた。
顔色も悪くて、真っ青だ。
具合が悪いのに、出歩いたりしてるなんて...!
私が思わず駆け寄ろうとした瞬間、
私の真横を人が通過した。