幽霊女に恋をした。
けど、1つ1つの言葉は
相手のことを気遣っているんだ
ど感じさせる。
まだ、一緒にいる期間はとても短いけど…
そんなように思っていた。
自分が思った通りに言った
だけなのに、龍さんの顔は
みるみるうちに呆れ顔になって行く。
「な…なんでそんな目で見るんですか?」
「なんでもねぇよ」
「え…お、教えて下さいよっ!」
「なんでもねぇって」
こんなやり取りが…すごく楽しい。
気づけばもう100年以上、私は
誰ともこうして話したことがないのだ。
私はいずれ…この世を去る。
そう遠くないうちに。
それなら…
ずっとこんな楽しければいいのに…
この日私は、絶対に叶うはずのない
望みを、空へと投げた。